月とねこ

設計した物置き場です

ロボットベンチャーへの転職方法

概要

日本のロボットベンチャーに転職しようとしているエンジニアさんに向けて、

  • どんな手法を使ったか
  • どこが面談で刺さった(と思われる)か
  • どんな観点で面談をうけていたか
  • どんなメンタルでいるように心掛けたか

の4点について記載した記事です。
特殊な事はしていないのですが、ご興味がある方にとって、何かお役に立てれば幸いです。

転職先として想定していた組織

  • 数名~10人程度くらいまでの会社or開発チーム
  • 入社後、主にハードウェア開発を担当できる事

転職手法(おススメ順)

リファラル活用

前職時代からtwitter採用担当?だった為、twitter経由で仲良くなった方や、現職から転職した友人などに「何か出来る事無いかな?」と声をかけさせて頂きました。
私の特性?を知って頂けている分、お話しも早く、採用とならないケースでも「別の会社立ち上げる時は、来て欲しい」といったお声がけを頂けるなど、良いご縁も出来ました。

自分から売り込みに行く

転職にあたって、面白そうだなと思ったロボットベンチャーさんに、当時ハードウェアエンジニアの募集が無かったにも関わらず
「こういう部分でお役に立てると考えているので、もしご興味頂ければ…?」というメッセージを投げたところ、興味を持って頂き、採用面談のご対応を頂けました。
とりあえず、興味があると思ったら、自分を売り込むのは良いと思います。

twitterに転職したいと書く

普段仕事の事をtwitterに書かないのですが、それでも界隈では多少知って頂けていたようで、いくつかの会社さんからお声がけを頂き、遊びに行く事で業界の内情等がより見えるようになりました。

転職サイトを更新する

ちょっと時期がずれますが、本格的に転職活動を行う1年くらい前から、少しづつ自分のスキルセットや、どんな事が得意か・好きかを、更新していました。
その1年で、ロボットベンチャーさんからお声がけを頂いたのは4件でしたが、確かに自分の得意とする分野と絡んでおり、当時条件が折り合えばそこに転職していたかもしれません。

転職エージェントさんを使う

これは転職サイトに登録していたところ、エージェントさんからお声がかかり、何社かご紹介頂きました。
たまたま、この業界に詳しいエージェントさんとお会い出来たのが良かった事、向こうからアプローチがあったので、使ったというべきかは悩ましいところです(エージェントのメリット・デメリットは割愛)。
ちなみにエージェントさんをある程度信頼出来た理由としては、初回面談時に「この会社はどうでしょうか?」「先日直接オファー頂いたor遊びに行った会社さんです」を3回繰り返したので、業界を理解されているなあとは思いました。

転職先で教えて貰う

色々な所に遊びに行くと「~社さんに向いてるよ」「~社の人が欲しがってるよ」的なお話しも頂きました。
ガンガン遊びに行くだけでも価値があるなと感じました。

採用面談で私の何が刺さったか

「解決されていない課題を解決出来る力があるか」

ロボットを作っていると、過去に事例/知見の無い課題が出てきます。
「未解決問題をどう定義し、どう解こうとするか」なのですが、知識から、経験から、アイディアから、色々な視点から解く方法があると思います。
これに対して「今までどうやった手法で考え実践し、解決してきたか」を具体的事例と併せて説明出来た事が、各社で一番刺さったように思います。

プライベートでのモノづくり

趣味で開発していたプロダクトをいくつか持って行き、お見せできたのが良かったです。
特に、メカ・エレキ・ソフトが混合されたプロダクトの場合、自分がどこまで出来るか・出来ていないかを伝えやすかったです。
ただし、これは最終面談くらいの段階で出す方が良い様に思います(見せる事は目的では無く、会社の指針や考え方を知る方が優先なので)

会社選びの基準

「その課題は、なぜロボティクスの技術で解決すると良いのか?」

世の中にはロボティクスの技術を使って、課題を解決しようとする会社が沢山あります。
その中には、(私の想定する)ロボティクスの技術じゃなくても良いなと思う課題もあります。
なぜ、ロボティクスで解決する事が望ましい課題なのか、自分なりに納得できる会社を探しました。

「チームで困っている事は何か?」

チームの皆さんに対して、私がどんな視点や技術的バックボーンから、貢献できるかを知りたかったからです。

「コミュニケーションのやりやすさ」

意思疎通のやりやすさが、チームの強さだと考えています。
その為(可能な場合)チームメンバーの方とお話しをさせて頂き、思考の速度や、情報を出す順番、シーンに応じた言葉のレベル感を考えながら、お話しさせて頂きました。
(実際にお話している時は、こんな小難しい事は考えて無いんですが…言語化するとこんな感じでしょうか?)

「会社の資金調達計画を教えて貰えるか」

特に小さなベンチャーさんの場合は、いつどんな目的で、どこから調達を受ける予定なのかを教えて頂きました。
これは調達の可能性と共に、経営者がどこまで先を見据えて考えているかを知りたいというのがありました。

転職活動で心掛けていた事

「採用は時の運。落ちても気にするな」

現職では採用面談をたまに担当していた事もあり、どれだけ欲しい人材でも「あと2週間早ければ…今は採れない…」みたいな事がたまにありました。
もちろん、私の実力不足の可能性も大いにあるのですが、本当のところは、分かりようがありませんし、それが原因で次のアクションが出来なくなるのは本末転倒です。 そこに思考・心理的リソースを使わないように心掛けました。
これ、当たり前と思われるかもしれませんが、転職活動中には「(コロナ直前に)遊びに行った後、コロナで採用をストップしてるから今はごめんねという連絡があったけど、僕がダメなだけだったのかも…」みたいな心理には、容易になりやすいです。意識して明るく転職活動しましょう(笑)

まとめ

転職活動期間は5ヵ月で、コロナの流行りはじめた2月からスタートだったので、3-4月は事実上何も出来なかったですね。一時はどうなるかな?と思いました。
遊びに行ったのは7社、うち面談を受けたのは4社、最終的に内定を3件頂きました。その中でも一番変わった(ユニークな)会社さんを選択しました。
ご興味がありましたら、ご飯にでも誘ってください!!

(おまけ) ロボットベンチャーを目指す学生さんに向けて

転職について書いたついでに、ロボットベンチャーに憧れている学生さん向けに、ちょっとだけ書いておきます。
私自身、ロボッベンチャーさんをあっちこっち遊びに行っているせいか、時折学生さんより、進路相談を受ける事があります。(話を聞きたいと思って貰えるおっさんになれていて、ありがてぇ…)

で、これは誰であろうと必ず伝えているのですが「ロボットベンチャーを目指す学生さんは、絶対に新卒で、ロボットベンチャーに入らないで」とお伝えしています。

理由は3つ。
1点目は「ベンチャーに向かない」と思っても、そこから大企業に転職するのは大変だからです。これは良く語られるので割愛します。
2点目は「教育コストを支払えない」からです。チーム内でのスキルの共有が無い環境の場合、極端な事を言えば「言われたことをやった以上の知見を得られない」事になってしまいます。
3点目は「ベンチャーの採用は、必ずしも技術に詳しい方だけが判断する訳では無い」という事があります。
(これは日本特有かもなのですが)ベンチャーだからこそ、技術で評価される!とお思いかもしれませんが、採用に技術系でない経営層や投資層が絡む事も多々あります。
その際、経営層が判断できる材料として分かりやすいのが、職歴や学歴になります。ベンチャーしか経験がない人材だと、経営層の方からストップがかかりかねません。(そしてこの問題は、一生つきまといます)
ベンチャーでやりたいとお思いの方ほど、最初は大手が良いと考えています。 何が言いたいかと言うと、例え3 or 6ヵ月でも良いので、大企業の職歴をGETしておきましょう。