ViveTrackeのクロマキー対応用パーツ公開
概要
Trackerの色を変える事が出来るパーツデータ配布・製造方法補足・取り付け解説です。
用途はクロマキー環境で、Vive Trackeを使用する環境を想定しています。
動作検証
2019/01/06時点ではトラッキングの精度について未検証です。随時知人に検証をお願いしていますが、検証結果や改善レビューを頂けますと幸いです。
クロマキーをかけた場合の見え方
YORIMIYAさん に、トラッカーカバーを取り付けた状態でのクロマキー検証を頂いております。 若干黒残りが見える時もありますが、ほぼ消えており、良い感じに見受けられます。
#クロマキートラッカーカバー レポート①
— YORIMIYA@Vケット2/FutureTerminal VRライブ (@jav6868) 2019年1月18日
簡易的なチェック終わりました!私の環境では実用的なレベルで使えます!あとは影を作らないように照明配置の研究だ! もっと本格的に撮影して色んなモノ持ってみます pic.twitter.com/n5n8MH2mpB
#クロマキートラッカーカバー レポート②
— YORIMIYA@Vケット2/FutureTerminal VRライブ (@jav6868) 2019年1月18日
今度はキーボード弾いてみたよ。クロマキーでキーボードが指の形に抜けるのは課題かな。だけど個人Vtuberでも現実の楽器弾けるぞ!やったね! pic.twitter.com/GsRejhE8Bm
トラッキング精度の検証と、抜け具合について
なつのっとさんに、トラッキング精度の検証と、抜け具合の検証を頂いております。なつのっとさんおススメの、シールタイプのカバーで保護する方法と組み合わせるとかなりよさそうです
* 精度検証
* 抜け具合.@RyutoAI2xm さんの #クロマキートラッカーカバー レビュー1 トラッキングへの影響。
— なつのっと (@natsunot) 2019年1月19日
トラッカー水平方向のトラッキング精度に、カバーによる差異は確認できませんでした。
(全体が僅かにベースステーション方向に寄っていますが、この程度の差異はカバー無しでも発生します) pic.twitter.com/hbcCjemzOw
.@RyutoAI2xm さんの #クロマキートラッカーカバー レポート2 クロマキーの抜け具合。
— なつのっと (@natsunot) 2019年1月26日
OBSのクロマキーフィルターでどのくらい上手く抜けるのか試してみました。
左から「1.素のトラッカー」「2.緑マスキングテープ」「3.クロマキートラッカーカバー」「2と3の組み合わせ」です pic.twitter.com/c6DXDcfGtI
データ配布先
個人・企業を問わず、使用して頂いて大丈夫です。ただし、この部品自体の販売は禁止します。
また、このデータ・出力品を用いて発生したトラブルについては、一切責任を負いかねますので、ご了承ください。
www.thingiverse.com
製造方法
外注する場合
DMM.com、3D HUBS などのプリントサービスか、DMにて私に直接ご依頼頂ければと思います。
DMM.com
DMM.comで色指定ナイロンだと、2パーツセットで9000円くらいです。
ただしご家庭でよく使用される3Dプリンタよりも綺麗にに仕上がります。
3D HUBS
3D HUBSは、世界中の造型会社から出力する会社を選べるサービスです。DMMさんより安い事も多いです。ただ、出力方向が選べず壊れやすくなってしまう事があったり、色がまちまちだったりだったりと、ちょっとリスキーな部分もあります。
www.3dhubs.com
リュートへの依頼の場合
常備してない色な事もあって、1セットだとDMMよりは安い程度にしか出来ないのですが、複数個ならDMMより明らかにお安く出来るとは思います。
金額へのQAがちょいちょいありましたので、追記を。
個人の方など
上下セットで、2500円/1セットです。 3個以上は、2000円/1セットにさせて頂きます。企業案件などで、予算がバリバリある方
1セットにつき、3000円とさせて下さい。いずれも、送料は含みません。
納期については、材料が手元にある場合、5個程度で、1週間ほどです。
材料が手元にない場合は、+3日程度になると思います。
また、学生さん限定で、数個程度であれば、原材料費+送料のみで対応させて頂きます。
自作する場合
造型方向
こんな感じ
サポート除去
上記造型条件で、私の環境の場合ですが、下記の写真の赤丸部分のサポートを剥がし忘れると、ちゃんと取り付けられないのでご注意下さい(青丸が剥がした場所)
取り付け方法
基本的に一度取り付ければ、簡単には外れない状態になります。緩いと結構ガタガタ振動しちゃうので、きつめに設計しています。
取り付ける順番は、大きい部品(trackerの△マークがついてる方)から。向きは、trackerのLEDの穴と合わせてて頂ければと思います。
小さい部品は、USB充電口の穴と合わせて取り付けて頂ければと思います。
蛇足
ここからは特に読む必要はないです。モデリングのきっかけや、苦労・改善した点なんかをつらつらと。
年明けの1/2、初詣にでも行こうかなーと思ってお昼過ぎに神社前をぷらぷらしていたところ、TLでなつのっとさんのクロマキーが話題に。
グリーンバックに全身グリーンタイツ着てバーチャルモーションキャプチャーを使えば、
— なつのっと (@natsunot) 2019年1月1日
現実の物をアバターに持たせることができるのでは?
……という妄想を試してみました。 pic.twitter.com/txMFKxqVoK
すごーい!と思っていたところ、izmさんのツイートを見て「あーカバーあればもっと良い感じになるのかなぁ」と思いながら帰宅。
緑色のViveトラッカー保護シリコンカバーが発売されそう
— izm (@izm) 2019年1月2日
で、帰宅後即ラフモデリング。ざくっとモデリング結果をizmさんに、どないー?と投げたところ、良さげだったので、ちゃんとした設計開始。
こゆの?需要があれば、使えそうな形状にして、お渡ししますよー pic.twitter.com/VOn5EC9ho9
— リュート (@RyutoAI2xm) 2019年1月2日
で、こっからは大変だったこと。
Vive Trackerは3Dモデルが公開されているので、クロマキーで隠したい部分のサーフェスをオフセットすればすぐかなぁと思っていたんだけど、
下図の青色部分をオフセットすると
こうなるはずが(薄黄色が作成される予定の形状)
こうなっちゃう。なんだこのちっこいサーフェス?
一応、オフセット出来る面もあったりするんだけど、エッジが変な形状になったりする。
しょうがないので、Solidworksのコマンドで、壊れるサーフェスと類似のサーフェスを描いてそれをオフセットすればいけるだろうと思い
Trackerのサーフェスを0mmでオフセット(サーフェスコピー)し、フィルサーフェスで近似。それに厚み付けを使って作成しました。
最初のモデリング時は、境界サーフェスなんかを使って、全部の面を定義して書いてたのですが、3次元スケッチや複数の面や軸の定義が必要で、1か所やるのに20分くらいかかる…
やってられーん!っとなったので、上記の手法を考えて対応した次第です。
ラフにモデリングした時点からの改善点としては、以下になります。
1. 上下部品とも取り付ければ、簡単には外れない構造で設計
2. フィレット掛けられる部分はなるべくかける(怪我しないようにね)
3. USBの充電口周りの空間を広げた
4. LEDランプが見やすいように穴を広げた
あと、ラフモデリングから、ちゃんと使るモデルになるまでには、オフセットの修正や穴サイズの変更、微修正で合計4回出力しています。
パーツ自身のバネ性で、部品がしっかり固定されるようにしたのが、今回の拘り。
最後に、この記事が楽しかったので、燦鳥ノムさんのドラマツルギーを、モデリング中ずっと聞いていました。どれくらい聴いてたかと言うと歌詞覚えるくらいですね。
良かったら皆さんも聴いてみて下さい!!
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