月とねこ

設計した物置き場です

ViveTrackeのクロマキー対応用パーツ公開

概要

Trackerの色を変える事が出来るパーツデータ配布・製造方法補足・取り付け解説です。
用途はクロマキー環境で、Vive Trackeを使用する環境を想定しています。
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動作検証

2019/01/06時点ではトラッキングの精度について未検証です。随時知人に検証をお願いしていますが、検証結果や改善レビューを頂けますと幸いです。

クロマキーをかけた場合の見え方

YORIMIYAさん に、トラッカーカバーを取り付けた状態でのクロマキー検証を頂いております。 若干黒残りが見える時もありますが、ほぼ消えており、良い感じに見受けられます。

ラッキング精度の検証と、抜け具合について

なつのっとさんに、トラッキング精度の検証と、抜け具合の検証を頂いております。なつのっとさんおススメの、シールタイプのカバーで保護する方法と組み合わせるとかなりよさそうです
* 精度検証

* 抜け具合

データ配布先

個人・企業を問わず、使用して頂いて大丈夫です。ただし、この部品自体の販売は禁止します。
また、このデータ・出力品を用いて発生したトラブルについては、一切責任を負いかねますので、ご了承ください。
www.thingiverse.com

製造方法

外注する場合

DMM.com、3D HUBS などのプリントサービスか、DMにて私に直接ご依頼頂ければと思います。

DMM.com

DMM.comで色指定ナイロンだと、2パーツセットで9000円くらいです。
ただしご家庭でよく使用される3Dプリンタよりも綺麗にに仕上がります。

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3D HUBS

3D HUBSは、世界中の造型会社から出力する会社を選べるサービスです。DMMさんより安い事も多いです。ただ、出力方向が選べず壊れやすくなってしまう事があったり、色がまちまちだったりだったりと、ちょっとリスキーな部分もあります。
www.3dhubs.com

リュートへの依頼の場合

常備してない色な事もあって、1セットだとDMMよりは安い程度にしか出来ないのですが、複数個ならDMMより明らかにお安く出来るとは思います。
金額へのQAがちょいちょいありましたので、追記を。

  • 個人の方など
    上下セットで、2500円/1セットです。 3個以上は、2000円/1セットにさせて頂きます。

  • 企業案件などで、予算がバリバリある方
    1セットにつき、3000円とさせて下さい。

  • いずれも、送料は含みません。

納期については、材料が手元にある場合、5個程度で、1週間ほどです。
材料が手元にない場合は、+3日程度になると思います。

また、学生さん限定で、数個程度であれば、原材料費+送料のみで対応させて頂きます。

自作する場合

造型方向

こんな感じ f:id:RyutoAI2xm:20190105160315p:plain

サポート除去

上記造型条件で、私の環境の場合ですが、下記の写真の赤丸部分のサポートを剥がし忘れると、ちゃんと取り付けられないのでご注意下さい(青丸が剥がした場所) f:id:RyutoAI2xm:20190105154357j:plain

取り付け方法

基本的に一度取り付ければ、簡単には外れない状態になります。緩いと結構ガタガタ振動しちゃうので、きつめに設計しています。
取り付ける順番は、大きい部品(trackerの△マークがついてる方)から。向きは、trackerのLEDの穴と合わせてて頂ければと思います。
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蛇足

ここからは特に読む必要はないです。モデリングのきっかけや、苦労・改善した点なんかをつらつらと。
年明けの1/2、初詣にでも行こうかなーと思ってお昼過ぎに神社前をぷらぷらしていたところ、TLでなつのっとさんのクロマキーが話題に。

すごーい!と思っていたところ、izmさんのツイートを見て「あーカバーあればもっと良い感じになるのかなぁ」と思いながら帰宅。

で、帰宅後即ラフモデリング。ざくっとモデリング結果をizmさんに、どないー?と投げたところ、良さげだったので、ちゃんとした設計開始。

で、こっからは大変だったこと。
Vive Trackerは3Dモデルが公開されているので、クロマキーで隠したい部分のサーフェスをオフセットすればすぐかなぁと思っていたんだけど、
下図の青色部分をオフセットすると f:id:RyutoAI2xm:20190103184746j:plain
こうなるはずが(薄黄色が作成される予定の形状) f:id:RyutoAI2xm:20190103185538j:plain
こうなっちゃう。なんだこのちっこいサーフェス
一応、オフセット出来る面もあったりするんだけど、エッジが変な形状になったりする。
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しょうがないので、Solidworksのコマンドで、壊れるサーフェスと類似のサーフェスを描いてそれをオフセットすればいけるだろうと思い
Trackerのサーフェスを0mmでオフセット(サーフェスコピー)し、フィルサーフェスで近似。それに厚み付けを使って作成しました。

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最初のモデリング時は、境界サーフェスなんかを使って、全部の面を定義して書いてたのですが、3次元スケッチや複数の面や軸の定義が必要で、1か所やるのに20分くらいかかる…
やってられーん!っとなったので、上記の手法を考えて対応した次第です。

ラフにモデリングした時点からの改善点としては、以下になります。
1. 上下部品とも取り付ければ、簡単には外れない構造で設計
2. フィレット掛けられる部分はなるべくかける(怪我しないようにね)
3. USBの充電口周りの空間を広げた
4. LEDランプが見やすいように穴を広げた

あと、ラフモデリングから、ちゃんと使るモデルになるまでには、オフセットの修正や穴サイズの変更、微修正で合計4回出力しています。
パーツ自身のバネ性で、部品がしっかり固定されるようにしたのが、今回の拘り。

最後に、この記事が楽しかったので、燦鳥ノムさんドラマツルギーを、モデリング中ずっと聞いていました。どれくらい聴いてたかと言うと歌詞覚えるくらいですね。
良かったら皆さんも聴いてみて下さい!! note.mu youtu.be